いちご俳句会2021年特別句会「花見踊り句会」作品集

いちご俳句会2021年特別句会「花見踊り句会」

        🌸 〜俳句繚乱まつり〜🌸作品集

 

                             

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🌸生駒大祐先生

(プロフィール)
生駒大祐 いこま・だいすけ
1987年三重生まれ。無所属。イベントユニット「真空社」社員。受賞に第3回攝津幸彦記念賞、第5回芝不器男俳句新人賞、第11回田中裕明賞(『水界園丁』にて)等。句集に『水界園丁』(港の人, 2019)。

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🌸町田 康先生
(プロフィール)              
町田康    まちだ・こう
1962年大阪府生まれ。作家、パンク歌手。1997年『くっすん大黒』で野間文芸新人賞Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、’01年『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、’02年『権現の踊り子』で川端康成文学賞、’05年『告白』で谷崎潤一郎賞、’08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞。近著『ギケイキ』『ホサナ』『湖畔の愛』『しらふで生きる』ほか著書多数。自身のバンド「汝、我が民に非ズ」で音楽活動も積極的に行っている。



                作品集 

 

《生駒大祐選》

◎特選

 

・朽縄に出くはしたるを友に告げず   まめ

 

(特選・評)「朽縄」は「くちなは(蛇)」とは本来異なりますが当て字的にそう読みました。下五の字余りが蛇を見た驚きと調和していて成功しています。告げない対象が「友」であるのも微妙な距離感で面白いです。「蛇を知らぬ天才とゐて風の中 鈴木六林男」という名句も連想します。

 

 

・大風や干物かぶる庭躑躅     かわせみ

 

(特選・評)「大風」と以降の表現で若干理がついてしまっているのは残念ですが、主観を入れず物に徹して詠んだのは素晴らしいと思います。躑躅の色彩が読後に残像のようにに残ります。

 

 

・春眠や我うかうかと永眠す    野葛間

 

(特選・評)「春眠」と死はよく取り合わされて読まれる印象がありますが、「我」の死と結びつけたことで新しみと諧謔味が出ました。

 

 

・春雨や古道具屋は定休日     幸夫

 

(特選・評)主観を排除して表現したことで欲のない落ち着いた句になりました。春雨がしとしとと無人の通りに降っている様子が目に浮かびます。

 

 

・春眠の夢で女優に殺される    観月

 

(特選・評)「夢」の中なら何が起こっても不思議はないのですが、具体的な名前ではなく「女優」に殺されたことで、芝居の上での死と夢での死との「架空の死」が重層的に響き合う句となりました。

 

 

・養花天黄泉より細き縄垂らす   圭香

 

(特選・評)芥川の「蜘蛛の糸」を連想しました。季語を養花天にしたことで現実の空と想像の空が一句の中でオーバーラップする幻想的な句となっています。

 

 

・春眠や象の帰りを待たされて   岡村知昭

 

(特選・評)「象の帰りを待たされ」るという夢だとしても不思議な句ですが、春の象は長閑にゆっくり帰ってきそうで、待たされるという表現にも納得感があります。

 

 

・縄持ちて老人ふたり暮れかぬる  犬星星人

 

(特選・評)景色としてはかなり謎がありますが、黄昏時の景としてその不思議さがよく調和しています。型の上でも無理のない表現がなされています。

 

 

 

〇並選

・春泥を食んで飛ぶ鴨羽ちぎり   灯羽日仔

 

(並選・評)鴨が春泥を食むところに意外性があります。中七から下五にかけて動詞が多いのも動的な印象を与えて景とよく合っています。

 

 

・棄てられたマスクとわかばの空箱よ  笹百合

 

(並選・評)マスクの白と煙草の「わかば」の緑色の色彩の対比が、共に人工物であるのに美しく見えます。いかにも都市景という感じです。

 

 

・鶯の縄張り守る地声かな  つよし

 

(並選・評)鶯の「地声」を発想したところに発見があります。美しいだけでない鶯像を表現しています。

 

 

よもぎ餅食うて正義を説く女将  つよし

 

(並選・評)「よもぎ餅」の平穏さと「正義を説く」の不穏さの対比が面白い句です。女将が願ってもいないのに正義を説くところも可笑しい。

 

 

・もつれ合ひ春泥渡る声若し   まめ

 

(並選・評)「もつれ合ひ」に春泥を歩く人物の若々しさがよく出ています。「声若し」と全体を通して明示的・具体的には人の姿を描写しないのも省略が効いています。

 

 

・春眠や泡の如くに夢の消ゆ   洋子

 

(並選・評)他の季節の眠りと比較して春の眠りは水と親和性が高い印象があり、「泡の如くに」に説得力があります。「夢」ではなく夢の中に出てきた対象が消えた様子を表現できたらより面白いですね。

 

 

・待つ人の春眠夢を巻き足さむ  しょび7

 

(並選・評)「夢を巻き足さむ」という表現に少し驚きました。絵巻物のような夢を見ているとも感じさせる発想です。

 

 

・白くあり正義くんとチューリップ  岡村知昭

 

(並選・評)「正義(まさよし)くん」と読むのでしょう。人名とわかっても「白くあり」という表現と合わさることで謎が生まれます。しかし、正義(せいぎ)と「白」の色には不思議な調和性があり、読後不思議な納得感があります。意味がよくわかる句だけが面白いわけではありません。

 

 

・くちびるの春泥拭われておらず   岡村知昭

 

(並選・評)唇の鮮やかな紅色と春泥の色、さらには唇と乾いた泥の質感の対比が効果的に働いています。春の浮き立つ季節なので余計に違和感が強まります。

 

 

・春園の縄をベルトの男かな   栗山心

 

(並選・評)「縄をベルトの男」という言い方が若干捻られていて面白く読みました。春の園にしては不穏ですが、その捻られた文体と内容がよく合っています。

 

 

・春眠や白いところに動くもの  明子

 

(並選・評)抽象的な句ですが、夢の内容をぼんやりと思い出すときの捉え所のなさのような書き方が「春眠」とよく合っています。

 

 

・垂れてゐる縄何用の春の山   犬星星人

 

(並選・評)山道を歩いていると確かに縄が垂れていることがあり、それに対して「何用」かと無意味な問いかけをするところに面白さがあります。

 

 

町田康選》

◎特選

 

・間男に縄繋ぎ引く桃尻の    羽日仔

 

(特選・評)嗜虐趣味の桃尻が間男に縄を繋いで引いているのか。間男の尻が桃尻なのか。縄が桃尻なのか、つまり縄尻が桃の形をしているのか。どう読んでも、どの人間のなかにもある不穏ななにかが浮かび上がっていいと思う。

 

 

・ブランコや手にある縄の使い道  水の机

 

(特選・評)「おまえ、ブランコやってないやろ。なんか別のことやってるやろ」と言いたくなるがそれがなになのかはさっぱりわからない背徳感。

 

 

・泥縄に甲乙のあり生身魂   幸夫

 

(特選・評)わからんけどわかる。人はこの世に生きて思考や感情が有る限り逃れられぬ、免れぬものがあるのである。Fuck人の前での平等。

 

 

・花は葉に縄目残っている手首  岡村知昭

 

(特選・評)縄目の恥辱によりあたら生涯の花の時期を無駄に過ごしたという悔恨が伝わる。

 

 

・縄を綯う老の手強き春灯    栗山心

 

(特選・評)年をとったからといって自動的に枯淡の境地に入るわけではない。いつまでも心が浮き、迷い、惑いが生じる。欲望を感じる。人間テナーサックス。

 

 

・垂れてゐる縄何用の春の山   犬星星人

 

(特選・評)自殺用に決まっている。

 

 

・春眠の小指を蜜に浸しをり   犬星星人

 

(特選・評)わからんけどわかる。

 

 

・東国や春眠すでに雨の中    生駒大祐

 

(特選・評)東国は遠いところ、ここでない場所を思わせますね。すでにというのは時間の経過を表します。時空を超えて心が動く様が現れている。主体的な現しでないところが素敵。

 

 

・伊予に韮晴天の縄垂れてあり  生駒大祐

 

(特選・評)わからんからわからんのも素敵。字の形、綺麗。伊豆には韮山、というところあり。昔代官所があった。頼朝が流されていたあたり。伊、韮、が重なって、伊予に韮といわれると、なんか変な感じがしてそれがよろしいなあ。晴天の縄、って光の筋のことか。垂れてあり。あーそー、と絶叫して、暴れたい。うれしいから。

 

 

〇並選

 

・春泥に轍を残す大志あり    まめ

 

(並選・評)いろんなことに響いてええがな。わかりやすい立身ではなく、泥に轍を残すが如き遊戯を志とするのは間違いなく大志。出郷とも意味が響くし、いいと思う。

 

 

・もつれ合ひ春泥渡る声若し   まめ

 

(並選・評)町の音が一撃で情趣に飛んでいいと思う。

 

 

・大風や干物かぶる庭躑躅    かわせみ

 

(並選・評)それがどうしたというのか。躑躅に庭躑躅と野躑躅があるのか。わからないが、この句に漂う、失敗した感じ、なにかがうまくいっていない感じ、が俺は好きだった。

 

 

・海棠や小町通りに見る根付   かわせみ

 

(並選・評)根付、それも小町通りに見られる根付の多くは海棠である。とでも言いたいのか。わからない。その経路には人間の関数がおそらくあるが、その関数がわからないとその俳句がわからない。俺はなにもわからない。

 

 

・注連縄と神々坐す大社かな    光彦

 

(並選・評)注連縄というのは聖と俗の境界にあるもの。つまり標である。その標と神を並列にしているところがわからない。そのわからないところがいい。それとも神々が注連縄として坐すと言っているのか。言葉の並んだ感じが音も見た目も爽やかで神社の爽快感を感じます。

 

 

・春泥が拐う悪阻の滑落や     直井淳

 

(並選・評)滑落していることには違いないが、その滑落に悪阻の要素はない。それは悪阻の滑落ではない。なぜならそれは、そもそもその滑落を齎した春泥によって連れ去られているからである。複雑すぎ野郎。しかし響きと漢字と平仮名の均衡が整うて満名。

 

 

・蟹が喰う春眠の淵殿に寄り    直井淳

 

(並選・評)春眠の淵、すなわち睡魔が殿様を襲うその様はまるで蟹がものを摑んで食らうかのようだ。そのように獰猛だ。或いはそのように現を浸食する。みたいな感じを俺は感じました。

 

 

・朧夜の正義のラップ鳴り止まず  圭香

 

(並選・評)朧、は不確か、夜は、悪鬼跳梁する時、ラップは演説歌手のことと捉えるのが一般的なれど心霊現象とすればもっとおもろいです。鳴り止まず、というのも意志的な感じがありながら傍観者的でいいです。悪と闇と亡霊と正義が言葉において感覚的に統合されてある。

 

 

・春闌けて繕われざる縄梯子    岡村知昭

 

(並選・評)冬の間は外に出るのは億劫。夏も同じ。だらんと垂れた、飛翔への可能性はもはや朽ちる寸前。それを無気力に眺めている。時間が無い。嗚呼、あーあーあー、田螺たこかな。田螺ないけど。みたいな印象を受けました。人生を感じました。

 

 

・春泥を六分割に家建ちぬ     栗山心

 

(並選・評)家という堅固なものが泥という不安定な物の上に、六分割という、しら几帳面な区割りで建っている様がおもしろい。

 

 

・春眠や白いところに動くもの    明子

 

(並選・評)そのものの不確か、白いところ、という不気味、春の生成の蠢きの、その不気味さが感じられる。

 

 

・初蝶やひそかに撫づる縄の痕    ばんかおり

 

(並選・評)おまえになにがあったんや。

 

 

・春泥に爆弾のごとはふる球     ばんかおり

 

(並選・評)爆弾はだいたい玉だから普通な感じするし、別にそんなことは普通にあると思うが、それなのになにか爆発感があっていいです。

 

 

・正義にも悪にも飽んで蜷の道    犬星星人

 

(並選・評)蜷には合理的な目的があるのだろうが、その移動の跡は錯綜をきわめ、右か左か真っ直ぐかしか行く道がない人間にはムチャクチャに見える。でも実は人間もそのように歩んで、殆ど進まず、しかも合理的な目的がない。ただ生きてるだけ。疲れとすがすがしさが両方あるある。

 

 

 

《作品》

 

・聞き役は猫一匹の日永かな      観月  

 

・春眠の枕にされる聖書かな      観月   

 

・マスクしてここはひとつの星の中   林達男

 

・走るとき変な声出て春の泥       犬星星人  

 

・甘きまで春泥踏まれ貝眠る      生駒大祐  

 

・縄跳びや校庭丸ごと弾む声       洋子  

 

春眠す時間が音をたてぬから     林達男 

 

・春眠を覚めても犬がついてくる    犬星星人 

 

・縄綯いの娘に泥む春の色       町田康   

 

・春眠の底に沈んだ物貰い       町田康   

 

・革命歌マリアのマスク遠い聲     町田康 

 

・マスクしてオフショルダー白拍子  町田康  

 

十二時のガラスの靴に春の泥     観月  

 

・縄梯子引っ掛け月兎に逢いに行く   辻藤環兎 

 

・春泥のヒールに乾く細菜かな     圭香     

 

・正義と名付けし亀の鳴きにけり    犬星星人   

 

・田楽やマスクの下は髭伸びて     犬星星人   

 

・河烏つぶやく正義指で消し      灯羽日仔   

 

・春泥をパンダが走る引越便      笹百合

 

・俯いて手錠腰縄雨合羽        町田康    

 

・乳揉んで悶え苦しむ正義哉       町田康   

 

・一念に下駄に噛み付く春の泥     つよし  

 

・外出や正義スイッチオンにして    まめ   

 

・春泥や福島の海輝きて        洋子   

 

スマホにて正義の鉄槌指いっぽん   野葛間   

 

・縄の匠が百の猪鹿吊る村に      直井淳   

 

・マスク干す棟ベランダ妻の汗    直井淳   

 

・一人呑む朧月夜の縄のれん      観月    

 

・新緑の土の匂いのする句集      観月   

 

・春泥の靴音愉快都会っ子       辻藤環兎    

 

・正義ほど人を殺したものもなし    苔子    

 

・マスク買ひ野良に餌やり咬まれ臥す  山上秋葵

 

足縄を最期に解いて冥王星      横山羊子 

 

・正義ガム噛んだ奥歯に春一番     明子 

 

・縄跳びや踏まれて急に風もやみ    リリアン  

 

・春泥にパチンコ玉のめりこめり    犬星星人   

 

・春眠を奥歯噛み締めパーキング    灯羽日仔    

 

・ボコられし体育教師の名は正義    笹百合   

 

・春眠の海辺の波を数えつつ      つよし 

 

・垣手入れ起承転結縄の締め      つよし 

 

・猫の腹凹む鼾の春眠はるねむり        まめ  

 

・祖母晩年小さき小さき草鞋編む    まめ   

 

・あけすけに家族を忌むや正義漢    まめ 

 

・一人居の至福のありき朝寝かな    洋子  

 

プラトンの正義読むかな老いの春   光彦   

 

・古き書架注連縄かけて心満つ     光彦   

 

 ・なまめかしレース地マスク春の宵   野葛間

 

・下山の途ウジの頭蓋に正義舞う    直井淳   

 

・サイレン夜シャブが正義の童話3つ   直井淳   

 

バイバイバーイ遠ざかりゆく影日永  幸夫   

 

春一番神が正義をふりかざす      観月 

 

風光る阿蘇を望みて草千里       観月   

 

屋島から源平の海霞立つ        観月   

 

・産毛光る吾子と束の間春眠す      辻藤環兎   

 

・春眠や目映い川面さんざめく      辻藤環兎  

 

・寄るべ無き正義横たう深奥に      辻藤環兎  

 

・胸刻む正義草臥くたぶれ正義とは       辻藤環兎 

 

・春眠から一頭の竜飛び立ちぬ      林達男   

 

・青空を仰ぐばかりが春の泥       林達男   

 

・噴水に正義遊ばす水からくり      林達男    

 

・空晴れてマスクのなかの息臭し     苔子

 

・春泥に足滑らして蹈鞴踏む       苔子  

 

・春泥に薄紅の花雪のごと        苔子    

 

・老衰も春眠のようには逝かぬらし    苔子   

 

・縄文に陸を離れて蝶生る        山上秋葵   

 

・春泥や薪を待ちたる登り窯       山上秋葵  

 

円空の笑みは正義か花薺        山上秋葵  

 

文鳥へ手を振っておりマスクの子    岡村知昭  

 

・縄張りや道路真ん中寝てる猫      横山羊子   

 

・春眠や薄目のトラとグータッチ     横山羊子    

 

・春泥や移ろう雲の水鏡         横山羊子   

 

・末席のマトリョーシカが花マスク    明子  

 

・水温み指にほろ溶くチョコレート    明子   

 

・山笑う樹海深くに正義居り       明子    

 

・春昼の函より出だすデスマスク     犬星星人

 

・捨てマスクに永遠はあり鳥曇      生駒大祐  

 

・春眠の文字もんじにこもる眠気かな       つよし

 

・真顔もてマスクの奥の大あくび      つよし

 

・ワクチンにすがるマスクの列長し     つよし

 

春一番沖縄尖閣海荒るる         つよし

 

・春眠に心の鍵を失ひし          つよし

 

・春眠の根際ねきに真顔の母の居り        まめ

 

いちファンに落札されたデスマスク      まめ

   

・三界に家なき身のマスクの色        まめ

 

・ボケて春眠悶えてイッた圭子の夢      直井淳

 

・潤む目の マスクに籠る五臓の香       直井淳

 

・刺すが先遠慮の汁が春泥の         直井淳

 

・縄で描く嗄れ女と湯の味見         直井淳

 

・夏マスク規格調べな何ないの        幸夫

 

・縄付きの紳士影なる雪女          幸夫

 

沖縄戦散華リストに敵将名         幸夫

 

・春泥の校舎に土俵  I  miss  you         幸夫

 

・正義はかる物差し出土花は葉へ       幸夫

 

・四月のまん中をマスク流線型        託志

 

・正義即勝利祈願や春疾風          岡村知昭

 

・とりあえず春泥へ唾吐きにけり       岡村知昭

 

・春闌けてマスク工場消灯す         岡村知昭

 

・春眠や踏まれし記憶なおありて       岡村知昭

 

・春泥に足を取られし酔いの鳥        明子

 

・ニ夜寝ず来し春空に正義の木        生駒大祐

 

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「花見踊り句会」にご参加頂いた皆さん、生駒大祐さん、町田康さん、ありがとうございました🌸✨

 

            20214   いちご俳句会

 

 

 

「花見踊り句会」の作品鑑賞

 


甘きまで春泥踏まれ貝眠る
    (生駒大祐)

…心の器をはみ出す感情をこぼしながら、多くの人が春泥を踏む。靴で捏ねながら往来する。その地中に長い時間を微睡む貝。貝がいつか目覚めれば人々は消える。それは貝の夢だから。(まめ)


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マスクしてオフショルダー白拍子
   (町田康)    

町田康さんの著書『ギケイキ』に静御前の魅力を味わったが、令和の白拍子もマスクと衣装の白に色彩と香が滲み、一目で人を虜にするのだろう。深窓に彼女を置くのは令和の義経か。(まめ)

 

 

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