第32回いちご俳句会・例会 (作品集)
一本は水子地蔵に風車 観月
若葉風極楽橋に人と逢ふ つよし
レモンといふ字が書けない夏の淋しさ 林達男
次々と隣家の躑躅捥いで吸う まめ
春霖を祈る輪郭なくすよう 白石ポピー
句座の声弾みをりけるチューリップ つよし
麗らかや曾孫に勝てぬことの増え 幸夫
イマジンは平和の祈りフリージア 観月
幼子の妬心や捩じるクローバー まめ
春眠の翁にのぼるひ孫ども 幸夫
生牡蠣のような君の目花曇 白石ポピー
淋しさの熟してゆきぬ青胡桃 林達男