第37回いちご俳句会 例会(作品集)

 

第37回いちご俳句会 例会(作品集)

 

盆栽の影を楽しむ月見かな   観月

 

桃一つ初めて剥けた老いの夜    幸夫

 

薄とは手を切るものと笑む花屋  幸夫

 

露の世の次の世うかと垣間見し  つよし

 

吾も星も露の宇宙に生まれたる  つよし

 

ざすざすとぬけがら踏めば初嵐  

           白石ポピー

 

路地裏は月のうさぎの通り道    観月

 

月のコスモス硝子の子供がいなくなる

             林達男

 

銀行で時間引き出す霧月夜   林達男

 

狭小の店の小声やとろろ汁     まめ

 

茅屋を擦る手元の白く月      まめ

 

台風は月の鱗粉散らかして  

           白石ポピー