第44回いちご俳句会(作品集)

 

 

木を離れ水の桜となりにけり

観月

 

しゃぼん玉大きな景色宙に浮き

つよし

 

鳥交る妻はもも肉かぶりつく

亀歩

 

魚卵魚卵ユングは唄うさめざめと

白石ポピー

 

鳥帰る海の向こうの戦場へ

観月

 

メロディーは甘い楽欲(ぎょうよく)桃一木

林達男

 

月影に柘榴の花が咲くときは

林達男

 

乱れ髪リンス二度漬け春うらら

亀歩

 

昂然と蝶の家紋や家なき子

まめ

 

糟糠の妻に触れたは暮春の通夜

まめ

 

鞠投げぬなら死すべしと犬の眼や

白石ポピー

 

春眠の宇宙遊泳より帰還

つよし