第38回いちご俳句会 例会(作品集)
鳥渡る国境といふ地雷原 観月
茫々と茂る芒を泳ぐ鹿 白石ポピー
憎っくき奴月のあかりで殺そうか まめ
塵箱をあさる小犬の良夜かな まめ
ああこれは夏が殺されたにおいだ 白石ポピー
菊の香の威風漂う天守閣 つよし
淀君の魂ここに石蕗の花 つよし
持つて来てくださいジンを秋深む 林達男
恋知らぬ水の精牡鹿なく森 林達男
仕送りの林檎甘くて切なくて 観月
赤とんぼ姐やに曳かれ幼稚園 幸夫
右回り難し卒寿みにしみる 幸夫