第34回いちご俳句会 例会 (作品集)
猫の嗅ぐ曝書の廊に禁書あり まめ
舌先で夏を捜してさくらんぼ 白石ポピー
篁(たかむら)は五月雨の音風の音 観月
蛇衣を脱ぐ音地球の孤独 林達男
田植機の叶はぬ隅は下りて差し 幸夫
花菖蒲水の昏きに咲きにけり つよし
南風(みなみ)吹きぬ阿波の眉山へ海峡へ
観月
スイレンが線路の上で揺れている
白石ポピー
青芒心地よき風動き出す つよし
おはぐろとんぼ欲望の影のかたち 林達男
母子の窓サルビアの赤ただもえて まめ
老いて尚鍛へうる余地さつき闇 幸夫