2023-01-01から1年間の記事一覧

第52回いちご俳句会(作品集)

雪の日は花柄の傘さしませふ 観月 深海のテズルモズルの夢紅く 苔子 仏塔をひとつまみだけ入れた空 白石ポピー 真っ白な絵画の前のショートボブ 白石ポピー 落下する手袋の中ハワイアン 亀歩 やんわりとつむじに到来冬将軍 亀歩 外套を脱ぎ去りてゆく青い無…

第51回いちご俳句会(作品集)

かさついた足音と冬の鼻先 白石ポピー 饒舌な母に頷く冬帽子 まめ ひとつの元素に還りぬ冬の夜更け 林達男 針供養強制されるボランティア 亀歩 幸せと再会をした秋の雪 林達男 気温差に早足になる猫と往く 白石ポピー まっ黄っきおうおうおおおう虎麗(とら…

熱海句会 〜いちご俳句会50回記念句会〜

熱海句会 2023.10.14 ゲスト 町田康先生( 兼題『蓑虫』『とろろ』のご出題 ) ・頬髭にとろろ残して驕る木偶 野葛間 ・栗はじけ行き倒れたる骨の音 野葛間 ・あだし野や蓑虫縋る無縁仏 野葛間 ・忘却の膜はとろろのマチエール 白石ポピー ・蓑虫鳴く職歴のほ…

第49回いちご俳句会 (作品集)

上にある空がしびれてとりかぶと 白石ポピー 古道には水の匂いと曼珠沙華 観月 繰り返し鳴る約束や鰯挽く まめ 丹波から丹後へ風の花すすき 観月 柘榴裂けている七十の純情 林達男 山道のトカゲ狼狽ふ人声に まめ もしかして薄く曇った冬の朝 白石ポピー 誰…

第48回いちご俳句会 (作品集)

美しき弥勒の小指秋立ちぬ 観月 ビヤガーデンビールに雨粒ぽつぽつり 亀歩 耳元に唱ふ風死す風死すと 白石ポピー 小さき灯に演奏するやムーンリバー まめ 花魁の墓碑にとんぼの涙かな 観月 月の雨偉い人の約半分は水分なり 亀歩 夢抜けし緋鯉は鰭に頬を張る …

第47回いちご俳句会(作品集)

冷や麦や京に二つの本願寺 観月 ゴミ置き場羽根の破片と扇風機 亀歩 扇風機つばきのやうに首の落つ 白石ポピー 月に酔ひ白蛾は夜を投げ落とす 林達男 ふくよかに遺作の映画やサングラス まめ 古臭い恋をしてます糸蜻蛉 観月 花にうとき吾の酒しろし飯しろし …

第46回いちご俳句会(作品集)

ポタージュの膜をつついて桜桃忌 白石ポピー 常連を迎ふ何代目かの熱帯魚 まめ 白桃の竜の傍で眠ったの 林達男 光らなくなつた蛍は焚べませう 白石ポピー 次々とゴスロリ集う木下闇 亀歩 夏至なのに真面目な猫はつまんない 観月 脱皮して蛇は少女になりたが…

第45回いちご俳句会(作品集)

難破した心にかけるうすごろも 林達男 君の指薄暑の濃度掻き回す 白石ポピー 大和路の古寺に立夏の太柱 観月 繭を吐く音やたのしき五月闇 白石ポピー 夏来たる遠野に水の物語 観月 虎の尾を踏ませず入梅三角旗 亀歩 風操る人と旅する玫瑰の花 まめ イケメン…

第44回いちご俳句会(作品集)

木を離れ水の桜となりにけり 観月 しゃぼん玉大きな景色宙に浮き つよし 鳥交る妻はもも肉かぶりつく 亀歩 魚卵魚卵ユングは唄うさめざめと 白石ポピー 鳥帰る海の向こうの戦場へ 観月 メロディーは甘い楽欲(ぎょうよく)桃一木 林達男 月影に柘榴の花が咲…

第43回いちご俳句会 (作品集)

平仮名の「ぬ」字が書けぬ朧かな 観月 シャンソンの聞こえさうなる桜草 つよし 麗らかに個人情報刺繍せり 亀歩 後悔はしない主義です猫の恋 観月 フラスコを離さぬ日々や水温む 幸夫 亀鳴くや愛の女神のとけそうな 林達男 赤い牡丹悠々然と帯解きぬ 林達男 …

第42回いちご俳句会 例会(作品集)

檸檬色のスカーフ覗く春コート まめ 春の夜に指鉄砲で夫を撃つ 観月 早梅の陰に怯えて寺を焼く 白石ポピー 鳥獣の罪無き奇声園おぼろ つよし 春浅し配膳今朝はとさか髪 幸夫 大胆に寝そべる仔馬宿題は 幸夫 セロファンに水滴ゆがむ二月かな かわせみ 見慣れ…

第41回いちご俳句会 例会(作品集)

第41回いちご俳句会 例会(作品集) ピンヒール腓(こむら)が揺れて冬麗 亀歩(きっぽ) どことなくサンバのリズム笹もて来い つよし 辛抱の母大袈裟な父古日記 まめ 寒の水新札浮かすかと自問 幸夫 Nature calls me. 呪ひの外れてコール寒の真夜 幸夫 元旦や…