第40回いちご俳句会 例会(作品集)

第40回いちご俳句会 例会(作品集)

 

 

第40回いちご俳句会 例会(作品集)

 

尼様に素姓問はるる寒さかな

つよし

 

死ぬ時は雪の生まれる匂いかな

まめ

 

国境の光差しこむ紙ピアノ

かわせみ

 

殺したき人一人いて大晦日

観月

 

焚火背に当て間の抜けたことを言い

まめ

 

冬紅葉散つて血潮の義士の墓 

つよし

 

喧噪の街も師走の風の中

観月

 

月冴ゆる冴ゆる月月嚥下法

白石ポピー

 

一つ目のみみずくが見るメッシュ素材

白石ポピー

 

尻もち後の師走に浮きかつ沈むとは

幸夫

 

秒針の刻む痛さてふも師走

幸夫

 

大根の面を取られて咳き込めり

かわせみ

 

時は破壊者で保存者しぐれをり

林達男

 

煤逃げの人生に逃げ込まぬため

林達男